[]辻井さんが素晴らしいのは。

今日は私が入籍した日です。結婚記念日ー。

1日のしょっぱなですが、朝日新聞の「声」欄、ちょっと取り上げます。


心ない質問にも輝いた「心の目」

辻井伸行さんの記者会見で女性が「もし目が見えるとしたら何が見たいですか」心ない質問。しかし辻井さんは「両親の顔が見たい。でも今は心の目で見ているので充分満足しています」と笑顔で答えた。その心の美しさ。

ほんとにな、小学生みたいな質問だった。障害うんぬんなしでの快挙なのに低次元に引きずり落とされたよう。

私が一度聴力ゼロになった時は「ああ、紅白一度きちんと見ればよかった」「嫌な母の声でももう一度聞きたい」「聞こえなくなる前に好きな曲探して聞いておいてよかった」ぐらいか。音ゼロの世界にいきなり再び突き落とされて、苦悶はそれはもう。


私もかつて聞かれたことはあるかな、小学生に「もし聞こえるなら何が聞きたい?」同級生やおばちゃんに。


何だか聞こえる体が当たり前、というスタンスからの質問。普段頭が思い及ばない障害者を目の前にした時の当たり障りのない言葉で済ませておこう、というココロ。単なる社交辞令としか思ってない質問。


私は…「うーん…蚊の音とか…」これもあまり考えつかないしね。聞きたい、聞きたい!と渇望する体にはもうないんだから。別の心の耳で聞き始めてるから、耳で聞こえることは昔のことなんだよ。次元の低い話。原始時代のような…。


それくらい、隔たりがあるんですよ。


そこを、笑顔でまず具体的に挙げてから「でも、」と答えた辻井さんが素晴らしいんだよ。


そういえば、TVで「でも」はカットされてるのもあった。一番大事な言葉なのに。