ピアノの生演奏。泣く。

寝室の鏡類は伏せたりしてありますが、昨夜横になってからぞわぞわっときた。もう一度起きて電気を点け、むろやんエリアの大きな姿見を壁側にひっくり返しておきました。


また眠れない夜。
眼精疲労も激しい。


阪神大震災の体験がフラッシュバックして、体験していない人以上に疲れるみたい。寒さや、変な疲れ方…。忘れていたことを思い出して、自分も被災しているかのよう。そういえば私の普段着、ずっと被災者ルックみたいだ。TVに映し出されるタオル巻きの頭と大して変わらない。どこかで引きずっているのだろうか。


早朝5時台に富山に地震があった、と母からメール。後で調べたけどなかったみたいだよ…。


むろやんは朝、いなかった。置き手紙では、滑川と立山の神社に光の柱を立てに行ったらしい。


マクロランチ、午前中のお客様こなし。むろやんに依頼されていくつかの神社の地図をパソコンで調べてやる。

ニュースを見ると、第一原発の4号まで爆発したらしい。母は外出控えるように、とメールしてきた。最初の爆発あった時からもう窓開けたくなかった。でも、むろやんに言っても笑い飛ばされている。


お客様にむろやんのこと訴える。涙目になる。置いて逃げたらいい、と言ってくださった。


サンショウ。コインランドリー。それから経堂の明文堂へ。とにかく情報を手に入れたい。むろやんはコインランドリーへとって返す。


店内に入ると、ピアノの生演奏をしていた。終了まであと20分。カフェコーナーに先に入ってピアノに浸ることにした。


よく見える位置に。花茶を頼んで。店員さんの呼ぶ声は聞こえなかったけど。


ステンドグラスのランプの光を背に、ピアノ演奏。淡々とおっちゃんが弾いてる。


「埴生の宿」。


泣けてきた。


音の一つ一つが真珠のように光り輝きながら胸の中を弾んで転がる。


頭薄いしヘアスタイル乱れてるけど、それが却って武満徹のような雰囲気を醸している。

黒い蝶ネクタイ、燕尾服。執事スタイルというのか、すっごい癒されます。おじ様がピアノでクラシック弾いてるのっていいなぁ。しみじみいいなぁ。


目線が時々合います。

音に耳を傾けている内に涙が出てきて止まらなくなりました。


演奏終了。


おじ様もこちらを気にしている風で、目礼を交わしました。


世界が終末に向かう中、流れるピアノの曲。やけにしっくりくる。不思議な感じ。センチメンタルになる。映画「タイタニック」でも似たシーンあったなー。


苦しい今、どの本だろうか。よく分からない。放射能に関する本、検索しても在庫あまりない。


かろうじて見つけた本棚の数冊。静岡の原発が最悪になった時のシミュレーションが書いてある。頭に叩き込む。


もっといたいが、夕方のお客様がいらっしゃる。死ぬ時は本屋さんで立ち読みしながら、というのもいいかも。

どうすればいいのか、解答は見つからないまま本屋を後にした。


昨日母に聞いた話。


阪神大震災の時。幼なじみの家族、家は被害受けていないのに、目と鼻の先の避難所となった中学校に避難したという。なぜ?といぶかる私に、「食費、光熱費が浮くから。」と母。ショックを受ける。


戦争の時、闇市があったけど、ある高潔な裁判官は闇市をきっぱり利用しないでいたので餓死した話があるが…。


どんな死に方になろうと、品性は失いたくない。でも結果的に生き延びることができるのは「浅ましい」「図太い」ことをできる人なのかなぁ、と思ってしまった。


むろやんに緊急避難場所を聞く。決めておかないと…。むろやんは携帯にメール機能がない。災害伝言板が使えないのだ。


むろやんの返事は「どこでもいいんじゃない…」。


そだね、私もむろやん探さないからどうでもいいか。なんて会話だ…。


雨がぱらついてきた。放射能含んでるのかな。


暖かくなってきたらやろうと思っていた、ウォーキング、ジョギング、ガーデニング。庭木の剪定。もうできないんだ…。屋内にこもっていた方がいい状況になってきた。


好きな梅が盛りなのに。明日から雪。冷え込む…。